最近の相談を受けている中で、
小さいお子さんや赤ちゃんのアトピーが増えています。
小児アトピーの場合、食事が原因のものが圧倒的に多いと言われています。
ある先生は「10人に1人の赤ちゃんが食物アレルギー」だと
おっしゃるくらい多いようです。
特に、乳幼児期はたんぱく質の消化能力や腸管免疫が未熟なので、
食物アレルギーには気をつけて頂きたいと思います。
乳幼児のアトピーは生まれて間もなく発症(はっしょう)するケースが多いので生まれつきのアトピー体質と思われる方も多いようですが、乳幼児アトピーはほとんどの場合、食事の改善やハーブとスキンケアで改善の可能性があります。
根本的な解決のためにお薬を塗るだけでなく、生活習慣と食事を見直していただければ、 赤ちゃんのアトピーの症状を改善できるでしょう。
しっかり読んで、やってみて下さいね。
それでは、一つ一つについて、少し詳しく見ていきましょう。
乳幼児アトピーとハーブ
乳幼児アトピーの場合、いきなり漢方のお薬を使うよりはハーブのようなものからスタートすると
無難です。乳幼児のアトピーの場合、まだ消化機能が安定していないため山査子などの消化を助けるハーブの服用で新たなアトピー症状の発症を防げます。かゆみを和らげてくれる、五行草などのハーブの併用で根本的なお手当につながりやすくなります。一般にかゆみ止めの漢方のお薬は身体を冷やすこともあるので、症状が酷い場合のみ漢方のおくすりを追加するのが得策です。
~ハーブや漢方の服用方法として、授乳などの場合~
お子さんの好きな飲み物に溶かしていただいてもOKですが、吐き出してしまうなど服用してくれない場合は、授乳の15分程度前にお母さまに服用いただく形でも良いと思います。中医学では、小さいお子さんのお薬はお母さんがお薬を口に含んでお子さんに飲ませる「母子同服」がよく行われています。
塗り薬では根本的な改善にはなりませんが、
ただ、一時的に持っている熱を冷ましたり、
かゆみをおさえたりする効果があるので、
赤ちゃんとお母さんの負担を軽くするためにも、
適切に使いましょう。
ただ、習慣性のあるお薬などもあるのでお薬の選択には十分注意して、わからないことがあるときは専門家に相談しましょう。
いずれにしても、長期連用は避けたいものです。
アレルギーの原因となる食べ物は
1、鶏卵が 約80,6%
2、牛乳が 約50,6%
3、大豆が 約23,5%
4、小麦が 約20,4%
5、米が 約5,9%
食べ物通信
国立病院機構高知病院の2007年4月から2009年3月までの調査より
乳幼児期だと、まだ食事のコントロールもしやすいものです。
ものごころついてからでは、やはり好きな食べ物を制限するのも、なかなか大変なので、アトピー性皮膚炎は早いうちに手当てするのが賢明といえます。
また、小児・乳幼児のアトピーの根本的な原因が不安定な消化力にあることが大半なので、かゆみや炎症を抑えるお薬と一緒に山査子(さんざし)など消化に良いハーブの入った晶三仙や、健脾散(けんぴさん)という胃腸薬を使いながら 消化を助けることで根本的な改善・予防が期待できます。
■ お食事について注意したい4つのこと ■
お肌の状態と食生活は密接な関係があります。
乳幼児の場合は、お母さんの食事に母乳の質も料も影響されます。一般のアトピーでいわれているのは ・穀類など和食を中心に「腹八分目」を心がけましょう。
①お肉やお魚類は、極力加熱してよく咀嚼しましょう。
②葉野菜を中心に、旬の野菜や海藻類をたっぷり摂りましょう。
できるだけ、冷蔵庫から取り出して一時間程度の常温のものが好ましいと言えます。
③バランスの良い食事を気を付けましょう。
④便通は毎日一行すっきりを心がけて、野菜果物をしっかり施主ください。
■ できれば避けていただきたい食材 ■
甘いもの:チョコレート、ケーキなど
油もの:唐揚げ、とんかつ、天ぷらなど
香辛料の多い:キムチ、カレーライス
加工食品:ポテトチップス、ファーストフード、伊那スタント食品、スナック菓子、
生もの:お刺身、お寿司など
冷たいもの:アイスクリーム、ジュース、ビール、かき氷など
その他アレルギー反応など:卵、牛乳、大豆、エビカニなど魚介類、ソバ、アルコール
以上は授乳中であればお母酸もご注意ください。
また、離乳食の場合、メヤニ、ハギシリ、ヨダレ、うつ伏せなどは食べ過ぎのサインの可能性があります。お子さんの、「腹八分目」の目安として参考にしてください。
①スキンケアで最初に大切な事は、
お肌を刺激しないでキレイにすること。
まずは、お風呂でキレイにしてあげる。そして、お口の周りや汗の溜まりやすいところ、おむつの交換の時など、こまめに丁寧に拭いてあげましょう。
②乾燥は大敵!しっかり保湿。
アトピーの80%の方が、乾燥を訴えられます。
赤ちゃんは自分では、「乾燥してる」
「つっぱる」などを伝えられません。
肌の状態、カサカサしていないか?つっぱっていないか?
しっかり見てあげて下さいね。
保湿には油性のクリームではなく、適切な水分を補給できる、
できるだけ肌にやさしい、香料・添加物の少ない・無着色のものを
選んであげましょう。赤ちゃんにも安心して使える養麗潤ゲルクリームも
おススメです。
③爪を短く切っておきましょう
なんといっても、患部はかかせないことが大切ですが言葉が通じない赤ちゃんの場合にはなかなか難しいので爪を短く切っったり、できればヤスリをかけておきましょう。
特に、爪は雑菌の宝庫なので掻き傷がつかない程度まで磨いておきたいものです。
④入浴は大切なスキンケア
入浴は大切なスキンケアです。
*入浴時間は短めに。
*ぬるめのお湯(38~39℃)でやさしくさすって洗い、
タオルなどの強い摩擦は避けましょう。
タオルもコットン・ガーゼなど天然の肌への刺激が
少ないものがオススメです。
*シャンプーや石鹸などの洗浄料も保存料や着色料、香料など不使用(無添加)で、
低刺激のものを使って、ゴシゴシ洗うというより泡でトリートメントするくらい
の気持ちで洗浄してあげましょう。
また、症状によっては、水洗いのみが好ましい場合もあります。
*アトピーが長引いた肌の80%以上に、雑菌や真菌(カビ)などの感染が見られま
す。特に、全身に症状が見られる場合は、入浴剤による、保湿、殺菌、消炎が
とても効果的です。入浴剤も、香料、保存料、着色料など不使用で肌への負担が
少ないものがおすすめです。
*入浴後はスキンケアが最も効果的な時。できれば、入浴後5分以内に保湿や外用
を心がけましょう。ローションやゲルクリームなどでまず水分を補って、乾燥の
度合がひどければ必要に応じてクリームなどを重ねて蒸発を予防しましょう。
⑤着衣について
乳幼児の下着類は直接お肌に触れるものなので、
刺激が無いように細心の注意を払いたいものです。
*肌着などの素材は、できるだけお肌に優しい
天然素材が好ましいです。
*洗剤も、酵素入り洗剤を避け界面活性剤不使用の
洗剤などで、漂白剤などはなるべく避けたいものです。
*洗剤の量はなるべく少なめにして、
ススギを丁寧に行い洗剤などの残留に注意しましょう。
*身体を冷やさないように、薄着は避けましょう。
⑥お住まいについての注意
*お部屋も浴室もこまめに掃除、換気をして
ダニ、ホコリ、カビなどの発生を防ぎましょう。
*季節に応じて、室温と湿度に注意しましょう。
*戸外は勿論ですが室内でも過剰な日光浴、
日焼けに注意しましょう。
*インフルエンザなどに感染すると、
皮膚症状がさらに悪化することがあります。
感染症の予防に注意しましょう。