最近、20代から40代の女性を中心に急激に増えているのが子宮内膜症です。
昭和40年代と比較しても、患者数は3倍近くに増えているといわれます。
子宮内膜症は、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜が、
子宮以外の場所(卵巣、腹膜など)で増殖、剥離(はくり)を繰り返す病気です。
内側からはがれ落ちた内膜は、月経血として腟から体の外に流れ出ていきますが、
子宮以外の場所で増殖した子宮内膜は腹腔内にとどまり、炎症や痛み、癒着(ゆちゃく)
の原因になります。
初経後、10代後半から発生する可能性があり、今のところ閉経するまで完治しません。
世界で調査されたいくつかの結果から、子宮内膜症は月経のある女性の数%~10%程度が
もっているだろうと推定されています。
◆子宮内膜症ができやすい場所◆
腹膜、卵巣、子宮と直腸の間のくぼみ(ダグラス窩)
子宮内膜症はどうして起きるのか?
一定の周期ではがれ落ちた内膜や血液は月経となって腟から排泄されます。
しかし、子宮の外で増殖し、はがれ落ちた内膜や血液の出口が塞がれて逆流したり、
上手く排出できないと小さな血液の固まりとなり、やがて大きく成長したり、周囲と
癒着してさまざまな障害を起こすようになるのです。
ひどい生理痛でお悩みの方は、もしかしたら子宮内膜症の症状の一つかもしれません。
子宮内膜症の典型的な症状は、ズキズキとうずく耐えがたい痛みが長引くことです。
〜月経痛に似た痛み〜
毎回我慢できないほどの月経の痛み。
子宮内膜症で見られるのは月経痛が強くなったもの。
子宮内膜症が進行すると、痛みは一般の鎮痛薬では治まらないほどの激しいものになり、
普段の生活にも支障をきたすことがあります。
〜広範囲にわたる痛みの場所〜
月経時期ではないのに腰部や下腹部の周りの痛みを伴うことがあります。
下腹部だけにととどまらず、腰部や骨盤、肛門の奥まで広範囲にわたって激痛が走ります。
また、痛みだけではなく吐き気などの気分不快やお腹を下しやすくなったりします。
〜子宮内膜の癒着〜
子宮内以外にも、子宮内膜の癒着は起き、
病巣が出来た時は、痛みだけではなくて体にも変化が出てきます。
〜その他の症状〜
子宮内膜症が直腸の近くにできると、排便時に痛みがあり、お腹を下しやすいこともあります。
膀胱の近くに病巣ができると、膀胱炎と似ている症状ですが、排尿時に痛みがあり、
頻繁にトイレに行きたくなるという頻尿や血尿が出る場合もあります。
子宮内膜症の原因は、現在まで完全に解明されていませんが、
どちらかというと若い世代に起こりやすいという結果は出ています。
◆原因 / 月経血の逆流 ◆
月経として排出される月経血が体外に排出されにくくなると、子宮内に月経血が溜まり、
血の固まりとなり子宮内膜症の原因になります。
◆原因/ライフスタイルの変化◆
原因のひとつとして考えられているのは、女性のライフスタイルの変化です。
子宮内膜症は、月経が始まってから年数が経過するほど増加します。
10代で内膜症になる人はごくわずかですが、20代、30代と年齢が上がるほど増加し、
40代でピークを迎えます。
また、月経周期が短く、月経の期間が長い人の方が内膜症になりやすいといわれています。
〜子宮内膜症と女性ホルモン(エストロゲン)〜
子宮内膜症は女性ホルモン(エストロゲン)と密接な関係にあります。
子宮内膜は、受精卵が着床するところ、いわば赤ちゃんが育つベッドです。
妊娠に備えて内膜は増殖し、受精卵の着床がなければまたはがれ落ちるということを周期的に
繰り返しています。
これをコントロールしているのが、エストロゲンなどの女性ホルモンです。
そして、はがれ落ちた組織や血液は腟から外に排泄されます。これが、月経です。
子宮内膜症は、この子宮内膜とよく似た組織が子宮以外の場所でエストロゲンの働きによって
増殖と剥離を繰り返す病気です。
子宮内膜症との関係で大事なのが妊娠・授乳期です。
妊娠・授乳期には月経も停止します。
この間は、エストロゲンの働きも抑えられています。
以前は若くして結婚し、たくさんの子どもを生んでいました。それにより、妊娠・授乳による
月経の停止によって、自然に子宮内膜症が治ったり、また予防する結果にもなっていたと考えられます。
現在は初経を迎える年齢も早くなり、閉経の時期は遅くなっています。
エストロゲンが分泌される期間が長くなり、さらに働く女性が増えて、結婚年齢も出産年齢も遅く
なっています。
出産回数も大幅に減少。子どもをつくらない女性も増えてきました。妊娠によって月経が中断される
コトなく繰り返され、女性が一生農地に経験する月経数は、
昔の女性に比べて10倍も多くなっています。
その結果、妊娠・授乳による「自然治療」の機会が減少し、子宮内膜症が増えてきたと推察できます。
そういう意味で、女性のライフスタイルの変化によって増加している病気といえるのです。
◆原因 / 子宮内膜移植説 ◆
生理が起きた時に、血液が体外へ出ていきますが、その血液が卵管の方に逆流して腹部付近に
とどまってしまうという説。
◆原因 / 体腔上皮化説 ◆
腹膜が、なんらかの影響で子宮内膜へ変化してしまうという説。
★ 身体を極力 冷やさないようにしましょう。
★ 月経血の逆流などが原因になることがあるため、
できるだけ タンポンではなく ナプキンがおすすめです。
化学製品でできているナプキンは ずっと接触しているため
子宮内膜に悪影響を及ぼす懸念があります。
できれば天然のコットン製の物や 布ナプキンを使用しましょう。
☆ バランスの取れた食生活、十分な睡眠の確保、適度な運動
☆規則正しい食生活やストレスを溜めないこと
☆貧血の予防
☆動物性食品を摂りすぎない
☆喫煙をしない
◆ ホルモンバランスを整えるお食事が必要
オススメは大豆食品・・・「豆腐」「納豆」「おから」「豆乳」
*大豆には、子宮内膜症の病巣の増殖が抑える効果を期待できます。
動物性脂肪はエストロゲンを増加させるので、脂肪の多いものは
できるだけ避けたほうがいいでしょう。
◆ ◆ 食物繊維を多く含む食品
エストロゲンを吸収してくれるのが食物繊維。
新鮮なお野菜や果物には植物性のエストロゲンが含まれています。
☆食物繊維を多く含む食品
食品名 | 含有量 | 食品名 | 含有量 | 食品名 | 含有量 |
ごぼう | 2.7 | いんげん豆 | 1.5 | たらの芽 | 1.1 |
アボガド | 1.7 | 芽きゃべつ | 1.4 | さつまいも | 1.1 |
おくら | 1.6 | モロヘイヤ | 1.3 | にんじん | 1.0 |
あしたば | 1.5 | しゅんぎく | 1.1 | 切干大根 | 0.8 |
◆ レバー
子宮内膜症では、過多月経をよく引き起こし、そのため大量の出血をして貧血になることが
あります。レバーには多くの鉄分が含まれているので食べておくといいでしょう。
◆ アーモンド等ナッツ類
100g中に30gものビタミンEを含んでいるアーモンドなどのナッツ類。
ビタミンEも、肝臓の働きをよくし子宮内膜症の改善に効果があると言われています。
赤ちゃんを授かる為には、西洋学的治療、漢方治療、気功や針治療など様々なアプローチ方法があります。
でも一番大切なことは母体があっての子宮・卵巣だということです。
◆日常生活でちょっと気をつけること
・冷えの強い人は、冷えを治すことで温かい子宮卵巣を作る
・胃腸が弱く体重の少ない人は、胃腸を強化
・肥満気味の人は、体重を減らし余計な脂肪・水分を取り除く
なにより、十分な睡眠と栄養バランスのとれた食事が、意外と妊娠への近道
医療機関や漢方のお薬でお手当て中の方も、それだけではなく生活を見直すことが
妊娠にも身体全体にもとても大切。
日常生活でちょっと気をつければ妊娠しやすい母体に近づくことが可能です。
近くに、オーガニック野菜やハーブなどのお店がみつからない方は
http://www.karadani-ni-iimono.comなどご利用ください。
「血を補い体を温め、血の巡りをよくする」生薬
・当帰(トウキ)
当帰は、女性の健康な体づくりに欠かせない生薬として
知られるセリ科の植物。
血を補い体を温め、血の巡りをよくすると言われ、中国
では昔から「女性の宝」として重宝されてきました。
中国の民話にも、病に倒れた女性が、当帰の根を食べて
みるみる回復したという話が伝わっています。
・センキュウ
・オウギ
当帰(トウキ)
オウギ
センキュウ
婦宝当帰膠(ふほうときこう)
「婦宝当帰膠」は、トウキをはじめ、センキュウ、オウギなどを
処方した飲みやすいシロップ剤です。
当帰をはじめとして、コラーゲンを主成分とする阿膠など、気血を補う
9種類の生薬が配合されており、貧血、冷え症、肩こり、頭痛、生理不順
など女性特有の諸症状に用いられます。